みなさんは、エギのカラーについてどれくらい調べていますか?
多くの方が「エギのカラーの記事」をいくつか見た後、この記事にたどり着いていることと思います。そしてそれらで見たおすすめカラーで釣れなかったら、きっと次のおすすめカラーを探すでしょう。
いやいや待って。それって本当におすすめカラーなんですか?
もう餌木の色で迷わないように、まずはアオリイカは本当に色盲なのか?をアオリくんと一緒に解説します。きっと読み終えるころにはほぼ悩みが解決していると思いますよ♪

アオリイカの眼の機能
驚くほど発達しているアオリイカの眼。人間とアオリイカでは、見ている景色がまるで違います。
アオリイカの視力
アオリイカの視力は「0.63」です。


これは魚類で最も視力が良いとされるフウライカジキの「0.56」を上回っており、条件によっては「30〜40メートル先」も見えています。
アオリイカは色覚を持たない
そもそも人間が色を認識できるのは、「眼の網膜に複数の視細胞が存在するから」です。その視細胞で感じ取った色を脳で処理し、普段見ている色になります。
アオリイカは桿状視細胞と視物質ともに1種類ずつ。そのため「アオリイカは色覚が無く、白黒テレビのように見えている」というのが研究者の見解です。
桿状視細胞・・・光を感じる細胞
視物質・・・・・色を感じる細胞
アオリイカの眼は濃淡と光を感じている
アオリイカの眼は軟体動物の中で最も水中に適した構造を持っており、網膜には偏光レンズのような機能が備わっています。そのため「地形」「獲物」「外敵」をいち早く察知する事ができます。
色を認識することはできませんが、形状を認識し、白黒の濃淡が見え、光を感受できるということ。
アオリイカはこんな風にエギを見ています。
白黒でもそれぞれ微妙に濃ゆさが違うのが分かりますね。この濃ゆさは一定ではなく、天気や海の濁りでも変化します。

濃淡・・・色・味などの濃ゆい薄い
おすすめカラーは白黒の濃淡で選ぶ
白黒で見えているならどれを選んでも良いと思います。が、アオリイカは白黒の「濃淡」が見えているので、その濃淡の違いで仲間分けしました。
白黒の「濃ゆい」と「淡い」を持っていれば、対応できる状況が増えると思います。
ピンク・レッド・ブルー・パープル
白黒の濃淡で表すと、濃ゆい方です。
オレンジ・ライトブルー・グリーン・イエロー
白黒の濃淡で表すと、淡い方です。
イエローだけ見えにくいですがご了承を。
エギの下地はゴールドが高アピール
白黒の濃淡だけでなく「光」を感じることができるアオリイカ。となると、「下地のカラー」も気になるところ。
代表的な下地カラー3色で言うと、「シルバーは光を全反射」「ゴールドは黄色を反射」「レッドは赤色を反射」します。
「全反射するならシルバーがアピール強くていいんじゃない!」と思いがちですが、それは空中での話。水中では異なります。
これに関する研究がアメリカで行われました。
何の障害物もない海中では、隠れる場所などないように思える。だが、水と太陽光しかない場所で姿を隠す方法を発達させてきた魚がいる。米テキサス大学オースティン校の研究者パリッシュ・ブレイディ氏とモリー・カミングス氏らがその仕組みを初めて解明し、11月20日付の科学誌「サイエンス」に発表した。引用:NATIONAL GEOGRAPHIC
この実験によると、「シルバーは海中でカムフラージュするのに最適な色であり、小魚がシルバーなのは身を守る為である」そう。よって水に溶け込むシルバーは、水中ではアピール力が低い。良く言えばナチュラル。
ゴールドは周りの影響を受けにくいので溶け込むことはありません。夕方・濁り・曇天など、光量の少ない時にも有効的なカラーで、水中でもアピール力が高いと考えられます。
レッドは条件にもよりますが、少し水深が深くなると水に吸収されそもそも見えなくなります。

代表的な下地のカラーまとめ |
シルバー:ナチュラル |
ゴールド:高アピール |
レッド:水深が深いと消える |
僕が選んでいるエギのカラー(下地)
ロストしたら必ず買い直すのがこちら。
エギのカラー1 ピンク(ゴールド)
エギのカラー2 ブルー(ケイムラ)
日中よく釣れます。
エギのカラー3 グリーン(レッド)
カラーローテーションで2番目に投げることが多いグリーン(下地レッド)。
夜に強い印象です。
エギのカラー4 パープル(クリア)
3番目に投げることが多いパープル(下地クリア)。このエギはカラーではなく、エビにそっくりな形なので選んでいます。
もうカラーで迷わなくていい!
いかがでしたか?
色について理解できれば、迷わずにカラー選びができるようになりますね。みなさんの悩みが少しでも解決すれば幸いです。
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参考文献:アオリイカの秘密にせまる-研究期間25年、観察した数3万杯-
今回の考察の参考にさせていただいた本その1。少々お硬い感じですが、「アオリイカの全てがここにある」と言っても過言ではありません。
参考文献:イカ先生のアオリイカ学-これで釣りが100倍楽しくなる!-
参考本その2。アオリイカの秘密にせまるの筆者が、イカ先生こと富所 潤さんへの熱烈アプローチで執筆が実現しました。
とてもわかりやすい内容で、カラーについての結論は「プロですら考えは十人十色。自分がこう思う程度の根拠で、所属するメーカーの扱っている色が釣れる色。色は楽しむ領域。カラーよりもエギの動きが大事」と辛辣な内容でした(笑)・・・僕はたくさんの釣り人が思っていたことをハッキリと言ってくれたことに気持ちが良かったです。
ただ、カラーについて求める着地点はそこではありません。海中生物で1番眼が良く、白黒の濃淡や光を感じるアオリイカは、人間と違う景色を見ているはず。今回は自分が納得するまで考察しました。